「不定愁訴は女性に多いと思う」、それは「女性の社会的ハンデ」 就業女性の約半数が「毎月1-3日程度、平均30%程度の能率低下」に悩む

2011年2月28日 [月]

「不定愁訴は女性に多いと思う」、それは「女性の社会的ハンデ」
就業女性の約半数が「毎月1-3日程度、平均30%程度の能率低下」に悩む
医師への相談は5人に1人どまり

QLifeは、女性のための総合ポータルサイト「ウーマンエキサイト」と共同で、『20代・30代女性の「不定愁訴』実態調査』を行った。6,355人から回答を得た。

それによると、20代・30代女性の2人に1人が恒常的に不定愁訴に悩んでいる。頻度や期間はさまざまだが、フルタイム就業者は身体的症状が多く無職者は精神的症状が多い。就業女性の場合は「毎月1-3日程度、平均30%程度の能率低下」が発生していることもあって、不定愁訴が女性に多いのは「女性の社会的ハンデ」と考える人が多かった。

この調査結果について、亀田メディカルセンター主任産婦人科部長で、(社)日本産科婦人科学会「女性の健康週間」委員会委員長でもある清水幸子氏は、次のように述べた。
“「不定愁訴に悩む女性の5人に1人」しか医師に相談したことがなく、「この程度の理由で病院に行くべきでない」と考える女性が多かったことは、大変心配です。不定愁訴の背景には、病気が隠れていることがあるからです。また、検査で異常がなかった場合でも、不定愁訴の症状改善に向けて治療する方法はあります。ぜひ、私たち産婦人科医を「生涯にわたる女性の主治医」として活用して戴きたいと思います。”

◆調査の背景

3月1日から厚生労働省らが主唱する「女性の健康週間」が始まる。それにあわせ、女性の健康について考える取り組みの一つとして「不定愁訴」に注目した。不定愁訴は女性に多いと言われるが、本人以外に症状が判りにくく「気持ちが弱いだけ」と見なされ苦しむ人が少なくない。そこで、20代・30代女性の実態を就業状態別に把握することで、職場や家庭など周囲の理解を促進し、解決策を模索する一助とする。

◆結論の概要

  1. 「不定愁訴(ふていしゅうそ)」という言葉の認知率は33.8%
  2. 毎月PMS(月経前症候群)に悩まされる人は23.9%で、この率は20代後半と30代前半層で若干高まる。
  3. 50.0%の人が、PMS以外で毎月「不定愁訴」に悩まされている。ほとんどは「月1回程度x1-3日以内」の不調だが、なかには頻度=週1-2回程度だったり、長さ=1週間以上という人もいる。
    症状の内容は、「だるい・疲れがとれない」(82.8%)、「イライラする」(60.6%)、「頭痛」(56.5%)など多岐にわたるが、年代別/就業状況別で傾向が若干異なり、例えばフルタイム就業者は無職者より「身体的症状」が多く、無職者の方が「精神的症状」が多い。
  4. PMS以外で「不定愁訴」ある人のうち、医師相談経験があるのは20.2%。42.6%は何もせず「我慢する」をメイン対処法としている。
    なお、不定愁訴が診療対象であると知らないために受診しない人が28.2%、相談できる医療機関を具体的に知らないために受診しない人が21.1%おり、適切な情報があれば治療を受けられる人が現在の2-3倍に増える可能性がある。
  5. 「不定愁訴」が起きると、フルタイム就業者の仕事効率は普段の70%程度に低下する。すなわち、 「フルタイム就業女性の約半数(47.9%)において、PMS以外でも、毎月1-3日程度にわたり、平均30%程度の経済損失が発生」している可能性がある。
  6. 「不定愁訴は女性に多い」と79.0%が思っており、それは「女性の社会的ハンデ」と66.0%が考えている。これを軽減するには、男性・会社など周囲の理解促進と、「休みを取りやすく」など制度・施設面の改善が有効と考える人が多い。

★詳細は、QLifeSQUAREのこちらの記事より

【女性の健康を考える】2人に1人が実感、不定愁訴って?~20代・30代女性の「不定愁訴」実態調査~

★詳細なレポートのPDFファイルは以下より

20代・30代女性の「不定愁訴」実態調査

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