【QLife痛み】痛み治療に関する情報提供についての患者調査を実施

2013年9月30日 [月]

整形外科医に「痛み以外の治療疾患」を伝えた患者77%
内科系医師に「痛みの治療」を伝えた患者63%
「患者」「整形外科医」「内科的疾患の治療医」の3者間で
必ずしも情報共有がなされていない実態が明らかに

首・肩・腰・膝の痛みに関して、病院検索やお薬検索などの様々な情報を提供する「QLife痛み」を運営するQLifeは、「痛みの治療」で整形外科を受診し、NSAIDsの副作用リスクが比較的高い既往を持つ患者を対象に、「痛み治療に関する情報提供について」アンケートを行い、269人から回答を得た。

痛みの薬物治療における第一選択として用いられることの多いNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)。優れた消炎鎮痛効果がある一方で、消化管障害など副作用を起こしやすい薬剤もある。そのため処方時には、「痛みの治療」以外で、他の医師に受療中の疾患・症状がないか、その処方内容は何かなどを確認することが重要である。同時に、副作用の可能性などについて医師・薬剤師からしっかりと説明がなされなければならない。 特に最近ではNSAIDsが市販(第一類医薬品)されるようになり、かつそのネット販売が本格検討されるなど、NSAIDs服薬者のすそ野は広がる傾向にある。 そのため、QLifeでは、患者側・医師側からの情報提供がどの程度されているのか、実態を確認する調査を行った。
※「高血圧」「胃、十二指腸潰瘍」「脂質異常症」「糖尿病」「肝障害」「腎障害」「気管支喘息」「潰瘍性大腸炎」「心房細動」

調査レポートは以下よりダウンロードできる。
http://www.qlife.co.jp/news/130930_1qlife_research.pdf

【結論概要】

今回の調査で、「患者」「整形外科医」「内科的疾患の治療医」の3者間で必ずしも情報共有がなされていない実態が明らかとなった。患者にしてみれば「整形外科での治療」と「内科系での治療」の間に関連性は想像しにくいため、相互作用などに関する周知が今後望まれる。さらに整形外科医師は内科系医師に比べてあまり副作用リスクを説明しないことが明らかになった。

【調査結果概要】

1)整形外科医に、「痛み以外の」治療疾患があることを伝えた患者は77%。内科系医師に、「痛みの治療」をしていることを伝えた患者は63%
特に「整形外科→内科」情報が伝わりにくいのは「腎障害」「気管支喘息」「心房細動」患者で、逆に「内科→整形外科」情報が伝わりにくいのは「腎障害」「気管支喘息」「脂質異常症」の患者であった。
2)鎮痛剤の副作用リスクについて、整形外科医から「説明があった」患者は55%で内科系医師から「説明があった」67%よりも低い
特に「潰瘍性大腸炎」「胃、十二指腸潰瘍」「高血圧」の患者では、整形外科・内科系間の説明度合いに差異が大きかった。

今回の調査結果について、筑波大学附属病院光学医療診療部長、病院教授の溝上裕士先生は「NSAIDsの一種であるアスピリンが、抗血小板薬として循環器科、神経内科、脳外科などから処方されているケースが多く見受けられます。問診で潰瘍の既往歴の有無などもしっかりとヒアリングし、整形外科など他科から痛み止めとして処方されているNSAIDsの情報も大切です。また、患者は“内科的疾患は痛みなどの疾患と関連性が薄い”と自己判断し、他科での受診情報を伝えていない可能性があります。なぜ聞く必要があるのか、NSAIDs潰瘍などの例を伝えるなどして、問診で引き出すことが重要です」とコメントした。


【調査実施概要】

(1) 調査対象: 首・肩・腰・膝の痛みで過去1年以内に整形外科を受診し、かつ同時期に、「高血圧」「胃、十二指腸潰瘍」「脂質異常症」「糖尿病」「肝障害」「腎障害」「気管支喘息」「潰瘍性大腸炎」「心房細動」のいずれかの疾患で医療機関にて治療を受けている患者
(2) 有効回収数:269人
(3) 調査方法:インターネット調査
(4) 調査時期:2013/8/19~2013/8/26

▼調査レポートの詳細は、以下より
http://www.qlife.co.jp/news/130930_1qlife_research.pdf

▼QLife痛み
http://www.qlife.jp/pain/

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