【QLife痛み】かかりつけ薬局と病歴・薬歴管理についての患者調査を実施

2013年9月30日 [月]

かかりつけの薬局「ある」患者は7割。うち、半数が「1か所」
病歴や薬歴を「すべて詳細に履歴を残している」55%、「履歴を残していない」13%
薬歴管理が「患者自身に任されている」ことが明らかに

首・肩・腰・膝の痛みに関して、病院検索やお薬検索などの様々な情報を提供する「QLife痛み」を運営するQLifeは、「痛みの治療」で整形外科を受診している患者を対象に、「かかりつけ薬局と病歴・薬歴管理について」アンケートを行い、327人から回答を得た。

厚生労働省が発表した「平成23年受療調査」によれば、同一施設においてでさえ、外来患者の8人に1人が複数科を受診していることから、「複数施設(科目)を受診している」患者が少なくないことが推察される。そこで、リスクとして考えられるのが、病歴や薬歴情報の管理・活用不足による、いわゆる「飲み合わせの副作用」だ。現状、一部の地域を除いて、施設をまたいでの患者の病歴や薬歴情報の共有は行われておらず、患者の持つ「お薬手帳」が拠り所となっている。そこでQLifeでは、痛みの治療で整形外科を受診している患者を対象に「かかりつけ薬局」と「薬歴管理」の実態についてアンケートを行った。

調査レポートは以下よりダウンロードできる。
http://www.qlife.co.jp/news/130930_2qlife_research.pdf

【結論概要】

今回の調査で明らかになったのが、多くの患者にとって、薬歴管理が「自身に任されている」ことだ。かかりつけ薬局「ある」と7割の患者が回答。そのうちの半数が「1か所」としており、約35%の患者が「1か所のかかりつけ薬局を持っている」こととなるが、逆の見方では「約3人に2人が特定のかかりつけ薬局を持っていない」と見ることもできる。地域内での患者データの連携が進んでいない現状を鑑みると、薬歴だけでなく、病歴もが「患者自身に任されている」ことは容易に推測できる。こうした状況で起こりうる「薬の飲み合わせによる相互作用」を防ぐためには、患者が「お薬手帳」などの薬歴管理ツールの重要性を知り、医療機関や薬局訪問時にそれまでの病歴や薬歴を積極的に情報提供していくことが重要である。

【調査結果概要】

1) かかりつけの薬局「ある」患者は7割。うち、半数が「1か所」
2) 病歴や薬歴を「すべて詳細に履歴を残している」55%、「履歴を残していない」13%
3) 病歴や薬歴を、「すべて伝えている」49%、伝えない人の理由は「大丈夫」「重要性感じない」「面倒」など
4) 約3人に1人が「薬の飲み合わせによる副作用や健康被害についての情報」に1人に不足感

今回の調査結果について、筑波大学附属病院光学医療診療部長、病院教授の溝上裕士先生は「整形外科では腰痛、関節痛などに対して痛み止め(NSAIDs)が処方されることが多いが、胃腸障害を高率に発症しています。特に高齢者では複数の医療機関から多種の薬が処方されているにもかかわらず、3人に2人が特定(1つ)のかかりつけ薬局をもっていません。薬の飲み合わせや過量を判断するための薬歴が、散逸しています。そのため、『お薬手帳』が大変重要となりますが、患者の中には、複数の薬局で支給されたお薬手帳の情報を統合することなく、複数持ち続けていたり、さらには、“大事にしろ”といわれるがあまり、仏壇にしまってしまうなど、全く活用しないケースもありました。これからは、『正しいお薬手帳の使い方』を啓蒙することも重要です」とコメントした。


【調査実施概要】

(1) 調査対象:首・肩・腰・膝の痛みで過去1年以内に整形外科を受診した患者
(2) 有効回収数:327人
(3) 調査方法:インターネット調査
(4) 調査時期:2013/8/19~2013/8/26

▼調査レポートの詳細は、以下より
http://www.qlife.co.jp/news/130930_2qlife_research.pdf

▼QLife痛み
http://www.qlife.jp/pain/

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