2019年12月25日 [水]
健康・医療分野の広告メディア事業ならびにマーケティング事業を行う株式会社QLife(キューライフ/本社:東京都港区、代表取締役:有瀬和徳)は、キッセイ薬品工業株式会社のスポンサードのもと、糖尿病患者877例を対象に、食後血糖に関する意識調査を実施、その結果が糖尿病領域のオンライン投稿誌「Diabetes Frontier Online」に掲載された。
食後に上昇した血糖値が一定時間を経過しても下がらない「食後高血糖」は、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患や、認知症の発症リスクとなる危険性がある。近年、持続血糖測定器(CGM、フリースタイルリブレ)の登場により、食後の血糖値の変化を容易に見ることができるようになったことから、注目を集めている。
今回の調査結果から、以下について明らかになった。
今回の調査結果について、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授の西村理明先生は、「糖尿病患者の食後高血糖は、合併症を進展させる危険因子。患者さん自身がCGMやフリースタイルリブレを活用して食後血糖値を把握し、医師と情報共有することで、より良い血糖コントロールにつながることが期待できる」とし、患者さん自身の食後血糖値把握の必要性を指摘した。
なお、本調査結果の内容は、Diabetes Frontier Onlineで閲覧可能だ。
http://dfo.m-review.co.jp/articles/006-e1-003/ (無料会員登録・ログインが必要)
患者背景
回答者877例の平均年齢は57.5±11.6歳(平均値±SD)、男性が76.6%であった。608例(69.3%)が並存疾患を有しており、高血圧が42.5%、脂質異常症(高脂血症)が36.6%、肥満症/メタボリックシンドロームが25.9%であった。
現在行っている治療内容は、飲み薬の服用が84.9%と最多で、食事療法は71.2%、運動療法は54.6%、注射薬の使用は14.5%であった。治療薬ではDPP-4阻害薬が最も多く52.4%、次いでビグアナイド薬(41.1%)、SGLT2阻害薬(27.4%)であった。
この2か月以内にHbA1cを測定し、数値を把握していた患者は92.4%で、測定値で最も多かったのは、6.0%~7.0%未満(44.2%)であった。食後血糖値は半数以下の45.6%の患者が把握しており、160mg/dL未満の患者は18.6%であった。
現在の治療について、「非常に満足している」(26.9%)、「やや満足している」(39.2%)との答えが過半数を占めた。「やや不満がある」(7.8%)、「不満がある」(2.6%)との回答は約1割であった。日常生活への影響があるかについては、「そう思う」(20.0%)、「どちらかといえばそう思う」(28.3%)と半数近くが影響を感じていた。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患や、認知症などの発症リスクとなる危険性があることについて、73.7%が「知っている」と回答した。82.8%の患者は、食事の際に「気を付けていることがある」と回答し、気を付けている内容としては、「野菜から食べるなど、食べる順番を気にしている」(84.7%)、「糖質を気にしている」(69.4%)、「カロリー(エネルギー)を気にしている」(47.4%)が挙げられた。
自分の食後血糖値を把握したいかどうかについては、「そう思う」(38.5%)、「どちらかといえばそう思う」(43.9%)との回答が大半を占めた。食後血糖値が高値であれば、治療を検討するかについては、「積極的に治療を検討したい」(25.8%)、「医師が必要と判断するのであれば検討してみたい」(55.3%)との回答が多かった。
持続血糖測定器(CGM、フリースタイルリブレ)の存在を「知っている」と答えた患者は55.8%だった。CGMで「測定してみたい」と答えた患者は74.8%であった。