医師の4分の3は患者ニーズを積極反映~患者1人の声が、他患者の治療も変える~医師アンケート調査でわかった患者の影響力

2014年5月26日 [月]

QLifeは、院長・部門長など治療法の決定権限をもつ医師338人を対象に、「患者の声を医療行為にどの程度採り入れているか」をテーマにアンケートを実施した。

昨今はアドヒアランス(患者が治療方針の決定に参加して主体的に治療を遂行すること)を重視し、治療法決定時に患者意向を採り入れる医師が増えている。ところが事前に患者ニーズを把握することは困難で、後になってから「そんな理由で薬が飲みづらかったとは」「そんなタイプの薬があるなら最初から先生に紹介してもらいたかった」とすれ違いが発覚するケースが珍しくない。この実態を確かめるべく、治療法の決定権を持つ「病院の院長や部門長医師」と「診療所の院長」に対し、患者の声をどのように医療行為に採り入れているかを聞いた。調査はインターネットで2014年4月に行われ、病院の責任者121人、診療所の責任者217人、合わせて338人から有効回答を得た。

調査の結果、多くの医師が「治療方法に関する患者の本音」を聞きたいと考えており、実際に、わずか「一人」であっても患者の声があれば、それを他症例に広く反映する実態が明らかになった。なお調査報告書は以下からもダウンロードできる。

ダウンロードはこちらから
http://www.qlife.co.jp/news/140526qlife_research.pdf

【調査結果概要】

1)1人の患者の声が、他症例での「治療決定時の確認内容」をも変える
たとえ「1人の患者の声」でも、4人中3人の医師は他患者の「治療法選択する際の確認内容」を変更する。しかも3人中1人は同一疾患に限らず全ての症例にて反映する、と回答した。
確認行為が変われば、選択肢の優先順や決定パターンが変わるため、患者がその医療機関全体の治療法に及ぼす影響が少なくないことがわかった。
2)治療への本音を、患者から「もっと聞きたい」
8割の医師が、治療内容に対する患者本音を「聞きたい」とし、重視していることがわかった。
3)患者からの治療内容への具体的要望は、増えている
4割の医師が「治療内容に関する具体的要望を聞くことが増えた」とし、逆に「減った」と感じている医師はほとんどいなかった。要望内容は「効果・副作用」「治療必要性や見通し」に関する詳細説明が多く、次いで「薬剤(品名・剤形)」「ジェネリック」「検査法・治療法」の指定であった。ただし集計方法次第では、「費用負担の軽減」が最大テーマであった。

【調査実施概要】

▼調査責任 株式会社QLife
▼実施概要
(1) 調査対象: 院長・部門長など治療法決定権をもつ医師
(2) 有効回収数: 338人(病院の責任者121人、診療所の責任者217人)
(3) 調査方法: インターネット調査
(4) 調査時期: 2014/4/22~2014/4/30

▼調査結果報告書
http://www.qlife.co.jp/news/140526qlife_research.pdf

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