2017年4月26日 [水]
QLifeは、キッセイ薬品工業株式会社のスポンサードのもと、シェーグレン症候群の患者100名を対象に、症状が日常生活に与える影響や、医療機関受診の状況などの実態調査を実施した。調査はインターネットによる回答で3月4~7日にかけて行われた。
調査結果はhttp://www.qlife.co.jp/news/170426qlife_research.pdfからダウンロード可能。
シェーグレン症候群は、40~70代の女性に多い自己免疫疾患。患者数は50万人以上いるとも推定されている。代表的な症状にドライマウスやドライアイがあるが、その他にも関節痛や疲れやすさなど症状は多岐にわたる。ドライマウスになると、味覚障害や睡眠障害などの生活の質に大きな影響を及ぼす。シェーグレン症候群には根本的な治療法がないため、症状をやわらげるための対症療法が基本で、ドライマウスには、唾液の分泌を促す薬をはじめ、水分補給や人工唾液スプレー、ジェル、軟膏などが使われる。ドライアイには、涙の補充や、安定化させるための目薬や、涙の蒸発を防ぐカバー付き眼鏡の着用、目頭にある涙の排出口である涙点を小さな栓でふさぐ(涙点プラグ)といった治療などが行われる。
今回の調査結果から、以下のことが分かった。
この結果について、佐川昭リウマチクリニック院長の佐川昭先生は「シェーグレン症候群は早期発見・早期の治療開始で症状の悪化を抑えることが可能です。多様な症状が特徴のシェーグレン症候群ですが、今回の調査結果から、ドライアイとドライマウスはほぼ全ての方に起こっていました。少なくともこの2つの症状に悩んでいる方はかかりつけ医や受診先の医師にシェーグレン症候群の可能性を聞いて見ても良いかもしれません。」とコメント。早期発見、早期治療の重要性を訴えた。
疲労感は患者の84%に「症状あり」、そのうち67.9%「影響あり」。関節痛は患者の82%に「症状あり」、そのうち50%「影響あり」。今、一番改善したい症状「ドライアイ」33%、「ドライマウス」29%。
症状が出てから、初めて医療機関を受診するまでの期間、全患者の平均は1.83年。初めて医療機関を受診してから、シェーグレン症候群と診断されるまでの期間、全患者の平均は1.24年。最初に受診したのは「一般内科」「リウマチ科」が多く、シェーグレン症候群と診断されたのは「膠原病内科」「リウマチ科」が多かった。診断経緯には医療機関受診のほかに、健康診断やテレビ番組がきっかけになったケースも。
年間平均通院回数は11.4回であった。「5回以下」が最も多く、43.0%だった。
18.0%が21回以上通院していた。診療科目別には膠原病内科の年間平均通院回数は7.1回、眼科は5.5回、歯科は13.5回、口腔外科は9.6回だった。
「大いに前向き」9%、「やや前向き」31%。「やや消極」「かなり消極」は10%。
大いに前向きになれた
やや前向きになれた
変わらない
やや消極的になった
かなり消極的になった
▼調査主体
株式会社QLife(キューライフ)
▼実施概要
(1) 調査対象:シェーグレン症候群に罹患している女性
(2) 有効回収数:100人
(3) 調査方法:インターネット調査
(4) 調査時期:2017/3/4~2017/3/7
▼シェーグレン症候群患者調査 結果報告書
http://www.qlife.co.jp/news/170426qlife_research.pdf