2018年3月27日 [火]
QLifeは、市ヶ谷ひもろぎクリニックなどを擁するひもろぎグループ理事長の渡部芳徳先生監修のもと、統合失調症患者200名を対象に、生活や社会参加、服薬、2~4週に1度投与する注射薬の認知度に関する調査を実施した。
およそ100人に1人弱が発症する統合失調症は、服薬を中断すると、症状が再発・再燃する確率が5倍高くなるともいわれており1)、治療薬の服用を継続することが大切だ。そこで、服薬の負担が、統合失調症患者さんの自立や社会復帰にどのような影響を与えているか、調査を行った。調査は2018年2月7日~12日にインターネット調査で行われた。
1)Robinson D et al., Arch Gen Psychiatry:56(3):241-247, 1999
なお、今回の詳細な調査結果はhttp://www.qlife.co.jp/news/180327qlife_research.pdfからダウンロード可能。
調査結果について、渡部芳徳先生は「注射薬の場合は飲み薬と比べ、服薬を忘れる心配がなく、きちんと治療が続けられます。その結果、状態も安定しますから、通院して注射をしているとき以外は、自分が統合失調症であることを忘れているという患者さんもいます。私たちの診ている患者さんのなかには、働くために注射薬に切り換えた方もいて、仕事をしている方には合っている治療法といえるでしょう。もっと多くの患者さんに、注射薬という選択肢があることを知ってもらいたいですね」とコメントした。
調査に参加した統合失調症患者の41.0%が「働いていない」と回答した。次いで、「働いている(障がい者枠以外)」が26.0%、「働いている(障がい者枠)」が14.0%だった。「就職・復職を目指して就労移行支援事業を利用している」と答えた患者は7.5%だった。
治療薬を飲み忘れた経験については、患者の66.5%が「ある」と回答した。飲み忘れの頻度は「時々ある」が36.5%と最も多く、「2~3回ある」(19.0%)、「1度だけある」(6.0%)、「頻繁にある」(5.0%)だった。飲み忘れたことがないと回答したのは33.5%だった。
統合失調症治療薬に、2~4週間に1回投与する注射薬があることについて、注射薬の認知度は「知らない」が67.0%と最も多く、「知っている」は33.0%だった。「知っている」と答えた患者のうち、注射薬を使ったことがある患者は16.7%だった。興味はあるが使用したことのない患者における使用意向は、「使いたくない」が49.7%と最多で、「使ってみたい」は17.2%だった。
▼統合失調症患者調査 結果報告書
http://www.qlife.co.jp/news/180327qlife_research.pdf